競合店を通して自分自身を分析する
こんにちは、骨盤軸整体の野田です。
ゆるふわマーケティング講座、今週も更新です。
独立開業を目指す助産師をサポートするための、マーケティングの基礎から学べる連載講座です。
バックナンバーは以下の通り
3回目が終了したこのシリーズ。
初回から継続して課題を進めている方には、だいぶ自身のビジネスの方向性が見えてきているのではないかと思います。
逆に言うとただ漠然と読んできただけの方にとっては、そろそろハードルが高くなってきたかもしれません。
特に今回のSTEP-04は前回の課題をクリアしていないと前に進めない内容ですのでご注意ください。
確実にマーケティングの手法を身につけていくために、しっかりと手順を踏んでステップを積み上げていきましょう。
競合を考えるためにはペルソナ設定が重要
今回は競合についてのお話です。
実店舗の有無に関わらず自分のビジネスの競争相手を意識したことは誰でも一度は経験があると思います。
しかしそもそも競合店ってどんなものを指すのでしょうか?
例えば僕は整体院を経営していますが、近隣に存在する整体院や接骨院の全てが競合店なのかといえば決してそんなことはありません。
競合を考える上で一番大切なのは基準を定めるということ。
すなわち誰の目線に立って競合店とみなすか?ということです。
整体師としての自分の目線では近所の整体院全てが競合だと見えていても、我々のターゲットとなる産前産後の女性からの目線で見た場合、そのようには映ってはいないことは大いにあり得ます。
まずは産後のケアをメニューに取り入れている事が前提となりますし、それ以外でも価格帯、立地、交通の便、子供連れでも来店可能か、託児設備はあるのか、あるいは施術者の性別なども含めてクライアントは店舗を選んでいるため、それらの条件をふるいにかけて判断していかなければ正確な競合店調査とはいえません。
つまり競合店とは施術者の自分の目線でなく、
ターゲットであるクライアントの目線で考える事が必要です。
そしてクライアントの目線で考えるためには
前回のSTEP-03のワークでペルソナが可視化されていることが前提となります。
前回のステップでペルソナが可視化されていない方は今回のワークを正しくこなすことができないので、あらためてSTEP-03のワークを終了させてから再度進むようにしてください。
ペルソナ目線で競合を可視化していく
準備はよろしいでしょうか。
さて、まずは前回使用したペルソナ可視化シートをお手元に準備してください。
そして今回は新たにこちらのシートを使用します。
ダウンロードはこちらから。
PDFとパワーポイントのPPTXファイルの2種類を用意したので、必要に応じてダウンロードして使用ください。
以下、項目別に説明していきます。
ペルソナがサービスを選ぶ基準とは?
先にも述べたとおり、競合店を考えるにはクライアントの目線に立つことが必要です。
ですからこれらの条件については、全て前回設定したペルソナの目線に立って考えなくてはいけません。
あなたのペルソナをPさんとした場合、Pさんがあなたのビジネスのサービスを選ぶ際にどのようなことを基準とするのか考えて記入してみましょう。
価格帯はいくらぐらいまでPさんは出す気があるのか、どのあたりまでの商圏ならPさんは出かけられるのか(あるいは出張スタイルであればどれくらいの交通費まで払って呼ぶ事ができるのかも含めて)業務形態は整体院か、サロン的なものを好むのか、どのようなターゲット設定をしている店舗を選ぶのか。
さらにはそれ以外の要素があっても結構です。あくまでもPさんの目線に立って細かく設定していきましょう。
実際に競合点を抜き出して分析してみる
そしてそれらのサービスの基準をもとに、実際に競合となりうる実在するライバルのサービスを分析してみましょう。
①は競合店の名称です。
②はその競合店がターゲットとして設定している属性を書き出します。
③はその競合のサービスの価格帯を、
④はその競合のセールスポイントが何かを分析して書き出してください。
⑤はその競合店がPさんからみてどのあたりが魅力的に見えるのか?
⑥は自分から見てその競合店の弱い部分はどこなのかを記入します。
そして⑦ではその競合店と比較して、どうすればPさんにとって自店舗の方が魅力的だと思ってもらえるのかを考えて記入してください。
見本も用意しました
例によって僕が過去に作成した内容を見本として掲載しておきます。
ひとつの流れとして参考にしてください。
前回のワークで見本として掲載した、僕が当時設定したペルソナである山本真由美さんが産後のボディケアを受ける際にどのような整体院を選ぶか、という設定で記入してあります。
このシートを記入したのは高円寺に院を構えていた頃です。
過去のこととはいえ、さすがに実名を掲載するのはいかがなものかと思うので①の競合店名称は伏せさせてもらいましたが、3店舗ともに当時の僕が競合店として考えていた実在する(していた?)店舗です。
このようにあらためて競合店について可視化していくと、最終的に自店舗をPさんに選んでもらうためには何をすればいいのかといった事が見えてきます。
実は競合店の分析というのはライバル店と価格を合わせたりセールス内容を参考にしたりするような比較先の研究として行われるものではなく、言うなれば競合店を通して自分自身を分析し、ペルソナであるPさんと自店舗を繋げるルートを導き出すために行われるべきものです。
美しい女性を口説こうと思った時、
ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。
その女性が本当に何を望んでいるのかを見極めることが重要なんだ。
スティーブ・ジョブズの有名な言葉ですが、実にマーケティングの本質を突いていると思います。
競合店も同じですよね。ライバルが何をしているのかに囚われるのではなく、自店舗として何をするべきなのかをそこから見つけ出すような思考を磨き上げていく事が大切なのです。
本質を見極めながらしっかりと歩みを進めていきましょう。
次回は来週の金曜日に更新予定です。お楽しみに!