【微妙に閲覧注意】骨盤が開くというのはこういうことです

産後の女性に起こるトラブルについて、骨盤のゆがみ骨盤の開きといった言葉を真っ先に思い浮かべる方も多いと思います。

「出産の影響で骨盤が開いたままの状態になることで下半身が太ったり、身体の様々なトラブルにつながる」

このような表現を用いて集客している整体院は数えきれないほどあります。
しかし根本的な疑問として、果たして本当に産後の骨盤が開きっぱなしになるのでしょうか?

そもそも骨盤が開くというのはどのような状態を指しているのでしょうか?
骨盤が開く開かないといった論争に終止符を打つべく、あらためて検証してみたいと思います。

 

骨盤が開くというのは、画像で見てみるとこういうことです。

開いた骨盤

これがいわゆる「開いた骨盤」です。
恥骨結合が完全に離れてしまっています。

出産で骨盤が開くというと、ほとんどの方がこのように恥骨結合がガバッと開いているイメージを持つのではないでしょうか。

しかしこれは出産で開いた骨盤の画像ではありません。
バイク事故を起こした40代女性の骨盤のレントゲンだそうです。

さて、この女性はどうやってこの骨盤を修復するのでしょうか?

「バイクの事故で骨盤が開いちゃったんで、閉じてもらえませんか?」

といって近所の整体院を訪れて骨盤矯正を受ける・・・わけはなく、普通に救急車で病院に運ばれて緊急手術です。

そもそも恥骨結合が離れている時点で骨盤は上半身の重さを支えることができないため、歩くことはおろか立ち上がることすらできません。
同様に出産後に骨盤が開いたままであれば自力で歩いて退院するのは不可能ですし、そもそもお医者さんが退院を許すわけはないでしょう。
つまり産後のママさんが無事に退院して自分の足で立ち、歩き、赤ちゃんのお世話や日常的な家事をこなしているということ自体が、骨盤はしっかり閉じているという何よりの証明なのです。

 

ちなみに上記のレントゲンのように開いてしまった骨盤はこうやって閉じます。

レントゲンではピンときませんね。
写真だとわかりにくいので、イメージイラストだとこんな感じです。

 

あえて表現するならばこれが本当の骨盤矯正と言えるのかもしれません。

このような手術を経て、初めの写真の女性の骨盤も無事に「矯正」されました。

痛々しいことこの上ない画像ですが、開いてしまった骨盤はこうやって固定するしかありません。

骨盤の形状を安定させている金具は完全に修復されてから再び手術で取り除くのか、あるいはずっとこのまま支え続けなくてはいけないのか。
何れにしても、完治するには途方も無い時間がかかるのは想像に難くありませんね。

しかしこの女性は無事に一命をとりとめたそうです。よかったですね。

 

よく「骨盤がゆがんでいますよ」と聞きますが、基本的に大きな外傷がない限り器質的に骨盤がゆがむことはあり得ません。 一般に骨盤骨折は生命や、大きな後遺症にかかわる外傷で、手術も非常に難易度が高く、また術中出血も多量となることもある為限られた施設でしか手術がなされていません。

一般社団法人 日本骨折治療学会のWEBサイトより引用

 

一般的な医師の見解でも、骨盤の歪みや開きについてはこのように述べられています。
開いた骨盤を閉じるというのは一介の整体師にできることではない、というのは理解していただけるのではないでしょうか。

 

と、いうわけで。

主に同業者の皆様へ提案なんですが、

産後の開いた骨盤を整体で閉じるとかいうのは、もうそろそろやめませんか?

上記で見てきた通り、出産後の骨盤が開きっぱなしになることはその構造上あり得ません
しかしそのように医学的にも否定されているようなことをなぜ無責任に振りかざしているのでしょうか?

クライアントの身体に起きていることを正確に伝え、適切な技術で正しく改善していくという本来私たちの業界では当たり前に行われていることが、なぜ産後の骨盤矯正に関してはできていないのでしょうか?

医学的に明らかに間違っていることを声高に主張してクライアントを不安に陥れ、間違った常識や認識を植え付けているような現状は業界の皆で意識を合わせて変えていかなければいけません。
現状に蔓延している産後の骨盤矯正ビジネスに少しでも疑問を抱いている方がいたら、是非とも私たちに力を貸して欲しいのです。

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産後の女性の身体を本当の意味で改善させていきたい、と本気でお考えの方は、ぜひ私達のセミナーにご参加ください。

志の高い皆様のご参加をお待ちしています。

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