【助産師必見!】産後の骨盤ベルトで余計に筋肉が弱くなるってホント?!

骨盤ベルトを安易に指導する前に

こんにちは。骨盤軸整体の野田です。

助産院、または整体院で骨盤ベルトを指導している助産師や治療家にはぜひ見て、そして考えてもらいたい動画です。

臀部周辺の筋肉に骨盤軸を通したのちに骨盤ベルトを着用することで、骨盤軸整体の効果が抜けてしまいます。

特にハムストリングスと中臀筋、大臀筋の軸に影響が大きく、動画では検証していませんが梨状筋や内転筋に通した軸も抜けてしまいます。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

骨盤ベルトがもたらす筋肉への影響とは

そもそもなぜ周産期に骨盤ベルトをするのかというと、動画でも話していることですが、妊娠~出産を経て正しく使えなくなってしまった筋肉をベルトでサポートするために使用するわけです。
(一般的に言われる開いた骨盤をベルトで締めて閉じるというのは間違いです)

骨盤ベルトを使用することで、身体はベルトの力を借りて体幹を支えようと働きます。
そのようなベルトによるサポートが必要なシチュエーションに限って言えば、それは決して悪いことではありません。

しかし本来ベルトによるサポートが必要ない状況であるにも関わらず骨盤ベルトを使用し続けてしまうことで、身体はベルトありきの筋肉の使い方をインプットされてしまい、脳はそのような筋肉の使い方のみを認識してしまうことになります。

骨盤軸整体を受けるといういうことは脳に筋肉を再認識させ、正しく使える本来の状態に戻るということです。
しかしそのようにせっかく筋肉を正しく認識できている状態でベルトを使ってしまうことでベルトありきな筋肉の使い方が脳に上書きされてしまい、結果として骨盤軸整体の効果がスポイルされてしまうのです。

大切なのは正しい使い方を理解すること

僕自身は17年にわたって周産期の女性の身体を見続けてきましたが、産前産後の期間において必ずしも骨盤ベルトは必要ではないと考えています。
そしてそれは骨盤軸整体を開発したことで確信できるようになりました。

しかし骨盤ベルトを全否定するつもりはありません。
例えば妊娠中の使用に関しては軸が抜けてしまうマイナス面を考慮しても有用な部分はないわけではないですし、産後であっても例えば骨盤輪不安定症などで恥骨結合や仙腸関節に痛みを感じていて、ベルトで安定することで痛みが軽減されるなどのケースにおいては骨盤ベルトを使用することについてやぶさかではありません。

ただしその際にもあくまでもその痛みが発生する動作をするときだけの使用にとどめるべきですし、ベルトを外した後にはしっかりと自分の筋肉を意識して動かせるように意識を戻す必要があります。

明確な信念も、確固たる理由もなく、何も考えずに思考停止した状態で「産後は骨盤ベルトが必要です」などと無責任に謳っているばかりでは、本来なら正しく使えるはずの筋肉をいつまでも使うことのできない身体を作り上げてしまうことにつながりかねません。

本当にやるべきことを見つめ直す

産後の女性の身体を改善するために本当に必要なことは何なのか。

産後の不安を煽り立てるような脅し文句をチラつかせながらベルトで縛り上げることではなく、本来の筋肉を正しく使うことのできる身体に戻していくことこそが、本当に必要なことのはずです。

骨盤ベルトだってビジネスですし、それでお金を稼ぐことに関しては決して否定はしません。
ただそのビジネスが本当にクライアントのためになっているのか?
ベルトを売りつけて終了!といったように、無責任な指導で終わっていないのか?
筋肉が正しく使えなくなるリスクをきちんと理解し、それに対する対処やフォローまで考えて導しているのか?

ベルトを売るのが仕事なのではなく、産後女性の不調を改善させることが本来の仕事なのではないでしょうか。

効果やリスクを正しく理解しないで無責任にベルトを勧めるその姿勢に、本当にクライアントの想いを受け止める覚悟があるのか、骨盤ベルトに携わっている助産師さんや治療家の方々には、今一度考えていただければと思います。

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