次世代のボディケアを読み解く一級品の資料です
こんにちは、野田です。
骨盤軸整体協会では協会認定資格を得るために臨床レポート10枚の提出を定めていますが、その中でも読み応えのあるレポートをチョイスして紹介しています。
セミナー受講後に具体的にどのようにして、臨床の現場で骨盤軸整体を活用しているのか。
それぞれの得意分野が反映されていて、ご自分の環境でどのように骨盤軸整体を活用しているのかを読み取るための資料としても一級品なのです。
今回は石田先生からいただいたレポートを紹介します。
※ブログの文章としての文脈を考慮し、一部単語や表現などを改変しています
レポート紹介
提出者
石田かおり(出張専門助産師)
認定マスターインストラクター
クライアント
S様(注:実名は伏せさせていただきます)30代女性
区分
マタニティ(26週〜38週まで)、2人目
クライアントの症状
左股関節の激痛、右鼠径部の痛み。反り腰も強い。
切迫早産の疑いにて自宅安静中。子宮収縮抑制剤の内服処方は無し。
症状改善のために意識した施術部位
大腰筋、腹直筋、脊柱起立筋、丹田
その部位を選んだ理由
股関節の痛みを強く訴えていたため。
また、寝た状態から立ち上がるたびに子宮収縮を強く感じており、腹部や背部に無理な力を掛けずに姿勢を変えることができるように意識した。
骨盤軸整体施術後の状態
1度の施術で軸が通った。
施術後クライアントの反応
施術後に股関節の痛みも軽減したが、しばらくすると痛みが戻ってきてしまった。
施術前の子宮頸管長は2.8センチだったのが、1度目の施術から2週間後の検診では子宮頸管長2.9センチと、0.1センチ延長していた。
その後お産まで約1週〜2週おきに施術をおこなったが、切迫症状が増悪することなく無事に出産された。
骨盤軸整体以外で行いたい施術など
左股関節の痛みは依然として残ったため、骨盤ベルトの使用をすすめた。
骨盤底筋エクササイズの指導。首肩の凝りが強く、整体の施術をおこなった。
感想、反省点、今後の課題など
切迫早産の診断を受けた患者であっても症状を悪化させることなく、むしろ0.1センチであるが子宮頸管長が延長した事は、骨盤軸整体によって体勢を変換する際に筋肉が正しく使えるように導くことで、腹筋に無駄な力が加わらず動けるようになったことも要因の1つになったのではないかと考えられる。
評価、感想など
石田先生は助産師資格とヨガインストラクターの資格もお持ちで、ご自身の施術の傍ら助産院でのヨガ教室や北里大学病院での両親学級講師など、多岐にわたって活躍されています。
今回は切迫早産で自宅安静中の妊婦さんに対しての施術をテーマに記述していただきました。
子宮頸管の延長が認められたというのが大きな印象にありますが、これは決して骨盤軸整体によって子宮頸管が伸びて切迫早産が改善される、という安直な結論を急いだものではありません。
あくまでも様々な可能性の中の一つとして、骨盤軸整体の施術による副次的な効果が加味されるのではないか、という報告ですが、それでも100歩譲って切迫早産の妊婦に対する骨盤軸整体の施術は決して危険なものではない、ということはあげられるのではないでしょうか。
切迫早産で自宅安静中の女性に施術することは通常の整体師ではなかなかないかもしれませんが、出張施術をおこなう方がそのような女性宅へ訪問する可能性は十分あると思いますし、石田先生と同じ助産師の方々にとっては絶対安静で入院している患者さんへのケアの一環としての施術方法など、何らかのヒントになれば嬉しく思います。
石田先生、ありがとうございました。