先日東京でも大雪が降りましたが、みなさんお住いの地域は大丈夫でしたか?
当院でも大雪の当日から数日以内に多くのクライアントさんが来院されましたが、皆足元に気をつけて大変な様子でした。
特に大変そうだったのは妊婦さん。
ただでさえも重心が崩れてバランスを取りづらくなっているのに、足元が滑りやすければ一歩一歩踏み出すだけでも相当な神経を使うというものですよね。
雪はだいぶ溶けましたが、住宅街の日当たりの悪い場所ではアイスバーン化して残っているところもまだあるようです。
十分に気をつけていただきたいものです。
妊婦さんは転倒事故が多い!
天候に限らず妊婦さんの転倒事故は多く、欧米の調査によると妊婦さんのおよそ26%に転倒経験があるそうで、これは65歳以上の高齢者とほぼ同数とのことです。
妊娠してお腹が大きくなることで重心の位置が変わり、従来の身体バランスでは体幹を安定することができなくなるため、妊婦さんにはふらつきや転倒が多くなります。
妊娠期が進んでお腹が大きくなるほどにその傾向は顕著となり、妊娠初期と比べて妊娠中期では約2倍、妊娠後期になるとおよそ5倍に転倒リスクが増えるというデータもあります。
妊婦さんのふらつきや転倒を予防するために私たちには何ができるのでしょうか。
大切なのは「剛」ではなく「柔」の対応力
妊婦さんのふらつきや転倒を予防するためには、まずは上手く使うことができなくなっている股関節を安定させるための筋肉を正しく使えるようにすることが必須です。
「股関節を安定させる」というと筋力を強化してしっかり支えることが大事なようなイメージがありますが、単に力任せに強化することだけが必要なわけではありません。
人は動作時においてつまずきそうになったり滑りそうになったりした際には、瞬時に自身の重心を適切な位置に移動させて最適なバランスに保つことで転倒を回避しようとします。
そこで必要となってくるのは「剛」の安定性ではなく、脳が発するとっさの判断を瞬時に肉体の動きに反応させる、いわば「柔」の機能性と対応力なのです。
妊婦さんは妊娠期における急激な重心の変化によって、そのような「とっさの判断を瞬時に肉体の動きに反応させる」能力が著しく低下しています。
そこを改善し、人が本来持つ「股関節を安定させるための筋肉を正しく使えるようにする機能」を取り戻していくのが、私たちの骨盤軸整体なのです。
骨盤軸整体で筋肉の連携性を回復させ、身体バランスを向上させる
股関節を安定させるために重要な筋肉のなかで最も代表的なのは、股関節を外側から支えている中臀筋です。
その他には中臀筋をサポートして股関節の安定性に寄与する大臀筋、中臀筋と拮抗して働く内転筋群、そして身体の基本的な安定性を確立するための大腰筋なども挙げられます。
しかし、それらの筋肉がただ使えればいいというわけではありません。
筋肉というのは決してそれ単体のみで働くものではなく、連結している筋肉がそれぞれ連携してサポートしながら働くことで初めて身体は安定し、本来の力を発揮することが可能となります。
骨盤軸整体ではそれらの筋肉に対して個別にアプローチすることで、それぞれの筋肉の働きを最適化し、活性化させることができます。
それによって筋肉同士の繋がりを回復させ、それぞれの筋肉が連携して働くことで瞬時の状況に反応して最適なポジションを保つことができる身体のバランスをつくり出せるのです。
こちらの動画では妊娠16週の妊婦さんにご登場いただいています。
片足立ちでのふらつきなどが顕著でしたが、中臀筋、内転筋、大腰筋(腸腰筋)に骨盤軸を通すことで股関節の安定感をはっきりと実感していただいています。
こちらは妊娠31週(8ヶ月)の妊婦さんに骨盤軸整体を施術した動画です。
かなりお腹も大きくなり、それに伴って体幹もブレブレでしたが、施術後はしっかりと安定して立てるようになっています。
このように妊婦さんに骨盤軸整体を受けていただくことで、前期、中期、後期といった妊娠期間を問わずに「剛」の安定性と「柔」の機能性を同時に回復させることが可能となります。
股関節を支えるための筋肉を正しく使うことができ、とっさの判断を瞬時に肉体の動きに反応させることができる妊婦さんの転倒リスクは大幅に低下します。
妊婦さんへの骨盤軸整体を広めていくことで、残念な転倒事故を防ぎ、リスクを減らしていくことに繋がるのではないでしょうか。
妊婦さんの健康に携わる全ての職業の方に骨盤軸整体を身につけていただけたらと思います。
共に骨盤軸整体を広げて行きたいとお考えいただける方は、ぜひセミナーにご参加ください。