妊婦さんへの整体はいつから施術可能なのか?
当院がまだクライアントさんへの施術をしていた頃には、妊娠10週〜14週くらいの妊娠初期の妊婦さんも多く来院されていました。
しかも遠方から、中には電車を乗り継いで片道一時間以上も掛かるようなエリアからいらっしゃる方も多く、話を聞くと自宅や勤務先の近くで妊婦さんOKの整体院を見つけて連絡したにもかかわらず、安定期に入ってからじゃないと危ないから施術できないと断られてしまったそうです。
安定期ってなんなのでしょう?
そして本当に安定期に入らないと整体は施術できないのでしょうか?
今回はその辺りを掘り下げていきたいと思います。
そもそも安定期ってどんな時期?
安定期とは一般的には、妊娠14週〜16週(妊娠4〜5ヶ月の境目辺り)の事を指すことが多いのですが、ただ安定期という言葉自体は医学用語ではないため、明確な基準や規定がありません。
そのため産婦人科のお医者さんの中には「妊婦の身体は常に変化してるんだから安定期なんて存在しない」と断言している先生もいらっしゃるくらいです。
一般的に安定期と呼ばれる時期には
・胎盤が完成して胎児への本格的な栄養供給が開始される・悪阻(つわり)も収まり始めて食欲も回復してくる
・基礎体温が低温期に入り、熱っぽさやだるさが無くなる
といった身体の変化が起こります。
いわば妊婦さんにとってはようやく落ち着き始めて身体を動かしやすくなる時期ではありますが、この時期から妊婦さんは大きくなりはじめた子宮を支えるため、無意識のうちに腰に重心を乗せてバランスを保つ反り腰の姿勢を取るようになり、それによって腰への負担が増し、腰痛の発生につながりやすくなります。
そう考えれば安定期から整体を受け始めるというのは理にかなっているとも言えますが、しかし理にかなっているというのと、安定期前は危ないからダメというのは全く違う話です。
本当に安定期前の施術は危険でダメなのか
結論から言うと、安定期より前だからといって整体を受けない方がいいという理由はありません。
安定期より前だから危険なのかと言うと決してそんなことはなく、おそらく一般的な常識の範囲に収まる整体の施術であれば、妊娠初期だからといって胎児や母体へのリスクが上がることはないですし、少なくともそのような結果を示唆するような臨床上のデータは存在しません。
つまり安定期より前だから整体の施術は危ないというのは施術者側の一方的な固定観念や思い込みで言われていることであり、施術を控えるべき明確な根拠があるということではないわけです。
もちろん施術者側に自信や知識がないのであれば止めておくに越したことはないのですが、しかしそれを理由に「安定期前の整体は危険でやるべきではない」と喧伝するのはむしろ自分の経験不足、認識不足を棚に上げているだけの無責任な話であり、周産期の女性に対する適切な知識がある立場としての発言とは思えません。
当然のことですが骨盤軸整体では安定期前の妊娠初期でも問題なく施術可能ですし、むしろそのような妊娠初期だからこそ施術を受けてもらいたい事例すら存在します。
妊娠初期だからこそ出来ること
安定期前である妊娠初期の妊婦さんは悪阻(つわり)で辛い思いをされている方も多く、その影響で自律神経は過剰な交感神経優位に傾き、全身の力が上手く抜けずに慢性的な疲労感やだるさが蓄積されていたり、その影響でさらに悪阻がしんどく感じてしまうといったような、いわば負のスパイラルに陥っている方が多くみられます。
骨盤軸整体では上丹田という、交感神経の過剰な亢進を抑制して副交感神経優位に導くというテクニックがありますが(上丹田はエクステンションセミナーで習得可能です)この上丹田の施術を妊娠初期の悪阻で悩んでいる妊婦さんに実施することで、全身の力がふわっと抜けて身体が軽くなった、気持ちが落ち着いてスッキリした、頭のモヤモヤ感が消えたというような感想をいただくことが非常に多いです。
さらにはそのような過剰に昂った交感神経優位をリセットすることで、先述した負のスパイラルに陥ることで過剰に増幅されていた悪阻のしんどさを本来の状態まで引き下げることができるため、施術を受けた後に悪阻が軽くなった、施術前よりも楽に感じるようになったという意見も多く伺います。
もちろん骨盤軸整体といえども悪阻を治したり無くしたりすることはできませんが、少なくとも過剰に増悪していただるさや吐き気といったマイナスの感覚を引き下げることはできるわけで、少なくとも整体としてお役に立てることがあるというのは、悪阻で悩む妊婦さんにとって大きな希望の光となりうるのではないでしょうか。
骨盤軸整体で妊娠初期の女性も笑顔に変えていく
当院が妊婦さんへの施術をはじめた約20年前は、妊婦さんに整体なんて危ないから絶対にNGというのが当たり前の時代でした。
当時は開業前に師事した先生方や多くの先輩整体師に相談したり意見を伺ったりしましたが、当時はまだ妊婦さんへの整体は危険に決まっているという先入観があって、具体的に勉強も検証もされないままそのイメージが業界の常識として定着していた時代です。実際に相談した全ての先生方に反対された記憶があります。
整体業界としてみれば、思考停止によってが大いなる機会損失を招いていたわけですし、当時の妊婦さんからしてみれば辛い時期に整体を受ける機会が奪われていたともいえます。
現在では妊婦さんへの整体もだいぶ普及していますが、しかしまだ根拠もなく「安定期前の妊婦さんに整体は危ないからダメ!」という固定観念にとらわれて思考停止しているのであれば、施術者の意識は20年前と同じで進歩も成長もしていないと言わざるを得ません。
本気で周産期の女性の不調と向き合うのであれば、今こそ誤った固定観念を払拭して正しい知識とそれに対応した技術を身につけるべきではないでしょうか?
骨盤軸整体は妊婦さんにも最適な施術です。

妊娠中に骨盤軸整体を受けるメリットについて
マタニティ • 2026年6月20日
/blog/maternity
触れるだけの優しいタッチの施術で母体や胎児に負担をかけることもなく、妊娠初期から予定日直前までの全ての時期に対応でき、うつ伏せになる必要もないため横臥位や座位、立位といった全ての姿勢での施術が可能で、短い時間でオールマイティに対応できる施術の手軽さによって多くの医療現場でも導入されています。
一人でも多くの方に骨盤軸整体を身につけて、今まで我慢を強いられてきた妊娠初期のママさんにも快適なマタニティライフのファーストステップを踏み出してもらうことができれば嬉しく思います。